【特別インタビュー②】IT界の最前線にいる父親の子供の教育はシンガポールという選択とその理由

【特別インタビュー①】の続きです。

インターネットの世界で昨今急速に注目を集めているWeb3.0。その第一人者である株式会社フィナンシェ/ Thirdverse / MintTown ファウンダー CEO 國光宏尚さんは、現在小学生の二児のお父さんでもあります。
今回は、インターネット業界を牽引する経営者として、また父親として、「教育」についてのお考えを伺う貴重なインタビュー。國光さんがわが子に選んだ進路とは? また今の時代に必要だと思う能力とは? 日本の高学歴者に多く見られる“学び疲れ”や、グローバルでの“雑談力”の必要性など、IT業界の最先端に身を置き、時代を牽引し続ける立場ゆえのキーワードや着眼点が盛りだくさん。子供の進路に悩む保護者たちに、大いに参考になる内容となりました。

(國光家お子様の進路情報) 

長男:プレスクール(Summerhill international school)

→小学校(セントメリー 現在G4 )

→シンガポールの英国系インターナショナルスクールへ

長女:プレスクール(Summerhill international school)

→小学校(清泉インターナショナル 現在G1 )

→シンガポールの英国系インターナショナルスクールへ

好奇心こそが全て! 日本の高学歴者に多い“学び疲れ”

 

日本では「一流大学を卒業した人材が、努力して乗り越えてきた経験があるから良い」という考え方がありますよね。ですが、少なくともスタートアップ企業では、必ずしもそうじゃないんです。むしろ、彼らの多くは、大学卒業し入社する時点で、すでに好奇心を失っている。なぜ優秀なはずの学生たちに、好奇心がないのか。

 

それは日本独特の教育による、“学び疲れ”が起きているからではないでしょうか。つまり、やりたくないことを永遠にやらされた結果です。人は、楽しいことなら寝る間も惜しんでやりますよね。 そうではなく、楽しいことを我慢して、知識を詰め込むばかりの学習を長年続けていると、勉強することがほとんどトラウマのようになってしまいます。

 

ただ、ある程度の知識の詰め込みも、一定の効果はあるのかもしれません。生成AIが大きく進化したのは、圧倒的に膨大な情報をインストールし続けた結果ですから、人間の脳にも同じことが起こるかもしれないとも考えられます。ですが、少なくとも年号を正確に覚えることの意味は、今の時代には無いですよね。

 

それよりも、学ぶ楽しさを味わう原体験をすることの方が、よほど重要です。そういった意味では、日本の暗記型、知識の詰め込み型に偏った教育よりも、欧米型の教育の方が、インプットだけでなく、アウトプットや対話力、思考力などを大切にしてくれる気がしています。

 

僕がWeb3.0のエキスパートと言っても、所詮2017年からの6年間くらいの話なんです。 世の中のほとんどのことは、実は数年間くらい真剣にやったらエキスパートになれるんじゃないかとさえ思っています。でも、ほとんどの人が新しいことに挑戦しないし、ガツガツ探究しようとはしません。それって、要は好奇心の差なんじゃないかと。

僕が今もチャレンジ続けられているとしたら、それは好奇心のおかげです。 メタバースやWeb3をやり始めたのは、「スマホ飽きた、新しいこと面白そう」という単純な好奇心からですから(笑)

 

テクノロジーの進化スピードが加速する今、学校の役割は3つ

 

現代は特に、テクノロジーの進化がすごいので、それと学校で学ぶ内容とは乖離があります。加えて、人生100年時代です。一方、学校教育って、たかだか18歳までなんですよね。義務教育の12年間に学校で学べることには、そもそも限界があるのです。ですから、学校に全てを期待するのは間違っているのではないでしょうか。それでも、学校の価値は3つあると思います。

 

1 趣味や興味の幅を広げる 
(子供は、生まれつき好きなことがあるわけではないので興味との出会いが必要)

 

2 興味を持ったときに、それをサポートする

(先生がメンター・ファシリテーターとして導く役割)

 

3 仲間と共に学ぶことでの切磋琢磨や相互刺激
(集団での学び)

 

大学卒業の22歳の時点で、すっかり好奇心が削り取られてしまうような学校教育には疑問があります。では、ホームスクーリングなどの完全なる個別教育が良いかというと、今度はコストがかかりすぎてそれも現実的ではありません。やはり、ある程度の基礎を集団で学ぶ場が社会には必要ですよね。それが学校だと思います。特に1の役割、好奇心の幅を学校で広げてもらえたら素晴らしいですね。

 

「好奇心」と「行動力」の2つが今の時代に大切な力

 

「好奇心」と同時にもう一つ大切なのは「行動力」だと思います。この行動力を育てるのは、ずばり「慣れ」ですね。環境変化への慣れです。

 

僕は、中学生で親元を離れて岡山で寮生活をしました。その後、初めての海外へ行き、バックパッカーで各国へ行きました。つまり、その過程で土地を移動して環境が変わることに、めちゃくちゃ慣れていったんだと思います。あとは、周りが海外へ行ったりするなど環境を変化させることが当たり前であれば、自分も変化することを当たり前に受け入れますよね。なので、慣れと環境なのかなと思います。

 

「好奇心」と「行動力」。この2つが、まさにこれからを生きる子供たちに最も大切な力だと思います。あとは、「プログラミング的な論理的思考力」が備わればいいですね。AIが多くのことを代替してくれる時代はすぐそこですが、人間がA I の根本的な構造を理解する必要は、あるのかなと思います。 

 

また、今人間がやってることをAIがやってくれるとしたら、将来的には多くの人間は暇になります。仮に、物質的な豊かさの最低限の担保はAIがしてくれるとなったらどうでしょう?その時に必要になってくるのは、精神的な豊かさや、心を満たしてくれるものですよね。楽しいとか、幸せとか。それこそ、一人ひとり違っている多様性の世界です。未来には、そういった感性の世界がさらに豊かに広がり、哲学、芸術、遊びなどのセンスに優れた人にスポットライトが当たる時代が来る可能性もあります。どのくらい先か?それは、僕にもわかりませんが(笑)。変わらぬ好奇心を持って新しい世界を受け入れていきたいですね。

 

 

※GK Cors /ネイティブレベルの英語力育成を目指す3歳〜10歳の子供のための英語塾。米国カリフォルニア州のHarker Schoolの日本窓口にもなっており、卒業生はSacred Heart Athertonなど海外スクールも多数。国内は、International School of the Sacred Heart, Tokyo、St. Mary International School、清泉International School、Tokyo International School など。インターナショナルスクール生のための授業補講も行っており、キャンパスは東京都に3校、広尾本キャンパス、世田谷野沢キャンパス、表参道mixaキャンパスがある。https://www.start.gkcors.com

記事:田口まさ美(Star flower) 

前へ
前へ

Harkerオンライン募集要項 2024年秋コース

次へ
次へ

【特別インタビュー①】IT業界の先駆者が子供に携えたい力とシンガポールへ家族移住という選択